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文科省の方針発表と下諏訪町の動き

1987年にAtoZを開校してから早29年が経ちますが、
日本の英語教育も少しずつですが変化してきました。
今回は、AtoZの歩みと公教育での英語の歩みについてお話ししたいと思います。

2002年、それは私がイギリスから帰国してAtoZを開校してから15年、そして
小中学校に外国人講師(ALT)を派遣する事で公教育の英語も支援もさせていただてから11年が経っていた時です。
文部科学省から「英語が使える日本人の育成のための戦略構想」というものが発表されました。

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  経済・社会等のグローバル化が進展する中、
子ども達が21世紀を生き抜くためには、国際的共通語となっている
「英語」のコミュニケーション能力を身に付けることが必要であり、
このことは、子ども達の将来のためにも、
我が国の一層の発展のためにも非常に重要な課題となっている。 
その一方、現状では、日本人の多くが、英語力が十分でないために、
外国人との交流において制限を受けたり、
適切な評価が得られないといった事態も生じている。
同時に、しっかりした国語力に基づき、
自らの意見を表現する能力も十分とは言えない。
 このため、日本人に対する英語教育を抜本的に改善する目的で、
具体的なアクションプランとして
「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」を作成することとした。
あわせて、国語力の涵養も図ることとした。(文部科学省HPから抜粋)
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上記の発表がなされた時に、使える英語を子供たちに身につけさせる、
を信念にしていた私は「ついにその日が来た!日本の英語教育が変わる!日本人が皆、臆せずに英語を話せるようになる」
と胸がワクワクしました。あれから14年が経っています。
文部科学省の発表時に生まれた子供は今中学2年生になっています。
多くの中学生が相変わらず英語はテストで点数を取るためのもので、
文科省が求めている21世紀を生き抜くツールにはなっていません。


残念ながら、日本の英語教育は、私がワクワクと期待したほど変わってはきませんでした。

しかし、この構想を受けていち早く英語教育の改革に乗り出した町があったのです。
それは、今AtoZで導入しているPLSシステムの実績を認め、
公教育の小学校に導入することに決めた下諏訪町です。
「これからのグローバル社会では英語でコミュニケーションできることは重要、
そのためには小さいころから使える英語を学ぶ必要がある、
下諏訪の子供たちは将来英語を使えるようにしたい!」という、
当時の故高橋町長の強い信念のもとにスタートしました。

高橋町長は、朝日新聞のロンドン支局に勤務していた当時に、
英語でコミュニケーションする重要性を身に染み、
将来の日本人には自由に英語でコミュニケーションして世界で活躍してほしい、
という強い願いがありました。


次回は「英語教育への下諏訪町の挑戦」についてお話しします。
下諏訪町はすごいですよ!お楽しみに。
(続く)